3Dプリンタ―は「プリンタ―」という名前が先行しすぎて、どんな機種でも「簡単&きれい」に造形できるんでしょって、思いがちなのですが・・ところがどっこい甘くはないのです。苦難の道もなんのその。そこも含めて楽しんでいきましょう。
印刷前の段取りがとっても重要
3Dプリンタ―で重要なのはスペック!、間違ってはいないのですが、ただスペックだけを見ていると見誤る可能性があります。どの機種にも共通していえることは、「重要なのは印刷前の段取り」です。そう、印刷ボタンを押す前にすでに勝負は決まっているのです。ここに気づけたあなたはもはや脱初心者!
印刷品質に大きく影響を与える調整
【フィラメントの選択 ABSかPLAか】
3Dプリントで使用するフィラメントは大きくわけてPLAかABSのどちらか。印刷対象のモノの目的によって使い分けるのがいいです。ほとんどの場合、どちらでも問題なく使用できますが、「後加工が必要なもの」「強度が必要なもの」「仕様場所の温度が高いもの」についてはABSを選ぶことをお勧めします。印刷時にの特性はPLAの方が安定しています。ABSはヒートベッドなどで材料と印刷面の接着度を上げて出力する必要があります(反りやすい素材です)。最近ではPLA/ABSのいいところどりをしたPETGという素材や、柔軟性のあるTPU素材も出てきています。
【高さ調整】
エクストルーダーと印刷面までの距離の調整は非常に重要です。一般的には名刺1枚入れて、少しひっかかる感じがする程度がべストだと言われています。通常は専用ソフトもしくは筐体側で調整します。
【水平調整】
エクストルーダーの水平方向移動時に出来るだけ高さの差が出ないように印刷面(造形台)の水平を調節します。UPシリーズではラフト無しで印刷する場合には、自動補正が無視されるので、この調整が甘いと印刷途中に造形物が反って印刷面から剥離してしまう場合があります。通常は専用ソフトもしくは筐体側で調整します。
【印刷の向き・角度】
印刷の向きによって、強度やサポートのつき方、印刷品質にも影響してきます。通常はスライサーによって設定します。オーバーハングにならないよう重力方向を考えながら、出来るだけサポートなしで印刷できるように工夫するのがよいです(サポート材が多くなると後処理が大変になります)
【造形体積(主に面積)】
残念ながら3Dプリンタ―の最大造形サイズまで欲張って配置すると(笑)、失敗します。ユーザーとして仕様に書いてある造形面積通りにプリント出来て当たり前と思うのですが、造形台の金具などが接触するので、プリントスペースが全て使用できない場合があります。つまり「造形の形状によっては可能」なのです。これは特にUP PLUS2に当てはまります。造形台を固定するための5mmくらいの金具がビミョーに造形台側に入って邪魔しているので、ギリギリサイズの場合は配置の工夫をする必要があります。
フィラメントの選択
【メーカー】
3Dプリンタを始めた全くの初心者のころはどこのフィラメントを買ったらいいのかも分からず、ネットで情報を調べたり、自分でも確信を持てないまま買って失敗したことも数知れず。最終的にたどりついたのはPolymakerでした。今のところ、この会社のシリーズが私にとってはベストのような気がしています。